頭痛の原因 その1 脳脊髄液の問題

頭いたいですか?

頭いたいと、腰痛や肩凝りまでもがわからなくなってしまうくらいキツイですよね。そのへんのマッサージや接骨院ではほとんどとれることのない頭痛。そこでちょっとしばらくは頭痛について取り上げてみたいと思います。

基本的に当院では、そこそこつらい頭痛でも1~2ヶ月程度でほぼ気にならなくなるのですが、まずは私ではどうにもならない頭痛について。

 

脳脊髄液減少症

脳ミソは頭蓋のなかで「脳脊髄液」という液体(赤くない血液だと思ってください)にプカプカしてるようなイメージを思い描いてください。脳ミソはやわらかいのでその液体に衝撃などから保護されているわけですが、その外側は硬膜 という膜に覆われています。下の図を参考にしていただきたいんですが、それは背骨の中を通る脊髄とつながっており、脳ミソのある頭蓋~腰椎(背骨の下の方)までをぐるぐる循環しているんですね。

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で、今回のやっかいな症状が、交通事故などによって背骨の中にある硬膜がちょっと破けてしまうことが原因。ドバーっと思いっきりやぶれていたらちょっともうアレなんですけど、ちょっとだけっていうのがやっかいで、なかなか病院での検査でも見つけることがむつかしいようです。このちょっとした破れから、ちょろちょろと脳脊髄液が漏出して頭蓋内の圧力が下がってしまい頭痛が発症するもの。

脳脊髄液減少症の特徴は、起きあがると激しい頭痛となり、横になると頭痛が軽快する「起立性頭痛」です。教科書的には「起きて15分以内に悪化する」とされていますが、午後になると頭痛が始まったり、夕方近くになると頭痛が強くなる、といったよくわからない「起立性頭痛」もあります。また、絶え間なく頭痛を訴えることもまれではありません。頭痛以外には、頸部痛、倦怠感(易疲労)、めまい、吐き気(悪心)などがあり、多彩な症状のためどこの病院を受診しても診断がつかず、ドクター・ショッピングをくりかえすことにもなります。

さらに問題なのが、これが明らかに健康害する症状だと思うのですが、健康保険がなかなか適用されないんだそうです。交通事故などによる保険も同じ。自賠責などでは治療費が支払われないことがほとんど(私の調べでは全く支払われたことがないんだそうで、あった場合は是非教えてください)なんだそうです。医学的にまだちゃんと証明されてないってことなんだと思います。

有効な治療法はあるんだそうです。ブラッドパッチといって自分の血液を破れた硬膜のところに注射して血栓をつくって破れを塞ぐというもの。ここまでやるのに保険が効かないから20~30万するそうです。検査も含めて。

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しかし、まぁ上記の症状が思い当たる方は受けてみても損はないと思います。どこで受けるんだ?という方は、どうぞ当院に相談ください。適切な医療機関をご紹介します。場合によっては保険適用にもなるそうです。